今年の流行語大賞候補『バイトテロ』。アルバイト従業員が、企業のイメージを傷つけること。バイトによるテロ行為。それには、アルバイト中の不適切行為と併せて、それを動画に撮影して、Twitterやインスタグラムに投稿する。これがセットで行われる。第二次バッカターブーム、そして、バカスタグラムの時代と揶揄されている。


バイトテロの名付け親が秒刊サンデー編集部にいた



なんとバイトテロという名前の名付け親が、ここ秒刊サンデー編集部に居た。名前は、ペンネーム「たまちゃん」。現役のライターであり、編集者でもある。「なぜバイトテロという名前が浮かんだのか?」。たまちゃんは、こう話す。


有名店の従業員によるいたずら動画って、すっげー長すぎてタイトル奪いまくるので、何か短い言葉にするために、付けただけですどね。最初は、バイトのテロって使ってましたが、2013年8月に起きた蕎麦屋の件のときから、バイトテロという言葉を使い始めました。


バイトテロという言葉の発祥は、2013年8月3日の記事だった。


【悲報】バイトのテロ受けたブロンコビリー足立梅島店『ケータイ持ち込み禁止』全力で頑張るhttps://yukawanet.com/archives/4512285.html


最近のバイトテロの流れ



今年に入ってからは、すき家からこの流れが始まった。そして、衝撃だったのが、吉野家のゴキブリ丼騒動。Twitterで流れたことを確認してから、朝一番の取材の時点では、お客様センターには、そういった連絡が入った形跡が無いということだった。


しかし夕方に状況が一変。店舗も特定され、結局のところ、ゴキブリが入っているということの報告を受けた従業員が、外国人従業員だったため、意思疎通が上手くいかずに、急遽エリアマネージャーが対応に当たっていたことが判明した。この一件は、客が吉野家の対応に納得行かずに、本人自らがTwitterに投稿して発覚した。


その後も、くら寿司でゴミ箱に一度捨てた魚の切り身を、再度取り出し、まな板に戻す様子が撮影された動画が、投稿された。この辺りからバカッターブーム再来、そしてバカスタグラムの新登場となっていった。くら寿司は、直ぐに店舗を特定し、その従業員に聞き取りを行ったが、従業員が憔悴しており、その状況を良く覚えていない状態に陥っていた。何とか事実確認をするのが、やっとの状況だった。


この後、くら寿司は、他の従業員を守るため、そしてこういったことが、二度と社会で起きないようにと、当該従業員に対して、刑事・民事での提訴を検討しているという発表を行った。再発防止策としては、もともと厨房内に携帯の持ち込みを禁止していたが、それが出来ないように、金属探知機を使って、厨房に入る前に検査を行うことも発表した。


くら寿司は、店舗の円滑な運営のために、店内にカメラを設置していたが、バイトテロを防げなかった。


ビックエコーでは、12月に起きたバイトテロに対して、既に警察に被害届を出していて、現在捜査中ということが判明した。一方、この後発生したドミノピザは、バイトテロの件を公表も、謝罪もしなかった。危機管理のために、PR会社を使っているドミノピザだが、これが危機管理の適切な対応か?と疑問が残った。



この流れは、コンビニにも波及し、ファミリーマートも従業員を特定し、法的処分の検討を発表した。その後は、大戸屋で今度は、マスクを被った従業員が、トレイを使って卑猥なことをしている映像が流出した。ここには、キャッキャッ言いながら撮影している女性従業員の姿も写っていた。


この件は、外部からの通報で発覚し、その日のうちに店舗、従業員を特定。翌日は、日曜日だったが、従業員から聞き取りを行った。その翌日、月曜日には、関わった従業員を全て解雇した。そして謝罪、再発防止策の発表と共に、従業員に対する法的措置検討も同時に発表した。


企業の対応そしてバイトテロの行方



バイトテロは、外部からの通報で発覚することがほとんどだ。店は、スピード感を持って対応にあたる。ほとんどが、1日で、店舗、そして当該従業員を特定している。この早さは、見事なもの。同時にネットでの本人特定が始まる。あるバイトテロ案件で名前が挙がっていた従業員の所属先を取材すると、ネットに挙がっていた名前が、当該従業員であることを、確認出来たケースもあった。


問題解決へは、単純な方法で、解決出来るレベルでは無い。道徳教育、SNS教育の見直しから、始める問題だ。巷に溢れる時給を上げれば済むという、単純な話では無い。あちこち取材したからこそ、良く分かる。ただ、このバイトテロで、企業側が被った損害は計り知れない。ひとりの日本人として、その罪は一生背負っていく必要がある。


ただし、それで被害を受けた会社、その会社で働く全ての従業員、そして当該従業員の家族。何ら罪の無いひとまで巻き込んでしまうのが、このバイトテロの正体であり、悲劇だ。


掲載写真 写真AC

情報提供元: 秒刊SUNDAY
記事名:「 今年の流行語大賞か!?バイトテロの名付け親に、名付け理由を聞いてみた。その結果!